天冥の標Ⅱ 感想 (ネタバレあり)
あなたもこの本が気に入るかもしれません。"天冥の標Ⅱ 救世群"(小川 一水 著) : https://a.co/2N0Q6dK
千茅と圭伍、どこまでも報われない2人だけど(千茅に至っては冥王斑と共に一生消えることの無い傷跡を背負ってしまったが…)、
それぞれの地で逞しく生きていてよかった。
またどこかで巡り会う可能性あると考えれば1巻のアクカドよりは救われる気持ち。
まだ続き読んでないからなんとも言えないが。
というか最終巻で青葉というワードがタイトルに入ってたことが気になってる。
たぶん深緑とか瑞々しい生命を表す青葉と"オバちゃん"をかけてるんだと予想。
千茅が裁かれなかった、裁いてもらえなかったことが個人的に1番ズシンと胸に来た。
なんかそこが1番の差別表現だったんじゃないかなと思った。
法社会を生きる国民ではなく伝染病を罹った悲劇の少女として片付けられた。平等に扱ってもらえなかった。
知的障がい者が犯罪行為を冒した場合、
自己責任能力の有無を巡って
普通の人とは"違う"ことを殊更に強調して弁護されるような、
それに近いものを感じた。
他にもいろいろと思うところはあるんだけど…
実は前のKindleでの無料期間中に1・2巻を買って、続きは現物で読んでいこうかなぁと考えて手に入るまで2巻の4章?あたりで放置してた(就活やら卒論やら忙しかったのもある)んですが、
最寄りの図書館で文庫版があることを知り、今日ようやく3・4巻を借りてきた!
ということで読み残してた続きを読んでました。
半年以上期間が空いてしまったもんだから前半部分とか忘れかけてることも多くて感想にできないのが悔しいのでまた読み直そうと思ってはいる。
しかし千茅が圭伍を誘惑(という言葉を使うと何だか軽い行動に思えるけどそうじゃないんだ詳しくは読んでほしい)するシーンは鮮明に覚えてたので、
チカ圭いいぞ!受け入れてくれ!と軽率に思ってたわたしはメンブレまったなし。
圭伍さんがチカに無意識に惹かれてる描写は序盤の方であったし、
しかもあれ写真見た段階で好意が見えてたような…。
冥王斑云々がなくても圭伍さんは多分本能的にチカを好きになってたと考えると余計に切ないというかもうやるせない。
わたしの心が張り裂けそう。
でもチカの「心動かされることはもう無い」ってセリフにちょっとホッ。
それは圭伍さんも同じだと思うんで…(泣)
正直あの後圭伍さん自殺まではいかなくても医者は辞めるのかな?と思ってたから、最後の飛行機で華奈子さんの隣に座ってるのわかった時ビックリした。
どれだけ絶望の淵に追いやられても、職業使命を全うするために突き進む姿にますます惚れる。
ただでさえ惚れる要素しかないキャラなのにほんとやめてほしい。
性に関してはあけすけでクソ医者と称されながらも仕事に対しては真面目で腕も良くてクレバーでじつは正義感強くてアツい人、なおかつ31歳(登場時)とかいうフェチい年齢。
全人類が惚れた。
どうか報われてください。
華奈子さんはほんといい女すぎてツラい。
フェオちゃんとそんな関係になるのは意外だったけど、でもなんかあくまで大人だなぁと。
そんで圭伍まで失うことになるのは嫌っていう悲痛な叫びがもう。
え、そこで3巻アウレーリアの話に飛んじゃうの!?って感じの終幕だったけど。笑
ダッシュみたいなプログラムがこの世界でも実用化されだしたら、
自分が死んでも自分のコピーのような存在にこの先を託していってずっと情報を蓄積していけるのかな~なんて思ったり。
もちろん本人そのものの感情とか意志は死んだ時点でなくなってしまうけど…
いやでも電子空間で生き続けてるとも言えるか?
まぁともあれ物語のフェオダッシュが後々、
1巻でカドムのそばに居た石のロボット(華奈子のポッドに表示されてたアバターのパターンにあったものと同じ外見と思われる)に繋がるってことだよね。
というのはフェオの名前が出てきた時点でピンときてはいたけども。
いや~面白い。救世群も後々繋がるんだよね…
とんでもない作品だなぁ。
今後も読み進めていくのが楽しみです。
M🍊